博物館vs自然災害

修士論文の結果も出たことだし、どんなことを研究したのかについて、ざっくり紹介したいと思います。

別の記事でも書いてますが、テーマは

How Can Museums Protect Their Collection from Natural Disasters? -Countermeasures in Japanese Museums- (博物館における自然災害に対する危機管理対策)

博物館業務の中で自然災害に対する危機管理・施設管理は後回しにされがちです。

なぜなら自然災害はいつ起こるか分からない上に、対策するとなるとお金がかかる。”起こらないかもしれない”ことへの対策よりも、展覧会など、もっと差し迫って考えることが山積みで、そちらが優先されるからです。これは世界中どこの博物館で言えることです。

しかし、他国と比べても自然災害の発生率が高く、災害大国と言われる日本の博物館は本来、他国の施設よりもしっかり対策するべきなのでは?ちゃんと効果のある対策が行われているのか?近い将来起こるといわれている南海トラフや首都直下などの地震に対して対策は進んでいるのか?

といったことに興味を持ち、研究してみようと思ったのが、テーマ選択の理由です。

このテーマを調査するにあたり、東日本大震災で特に被害の大きかった福島・岩手・宮城の東北3県にある博物館施設を研究対象としました。

過去に災害を経験している地域は沢山ありますが、この3県に絞った理由としては、東日本大震災から5年が経った今、震災以前・震災直後・5年後の現在と、大震災を通して自然災害対策の移り変わりを見ることができると思ったからです。

パートをざっくり分けると3つです。

  1. 世界における自然災害の発生・被害状況、及び博物館施設の自然災害への対策
  2. 日本における自然災害の発生・被害状況、及び博物館施設の自然災害への対策
  3. インタビュー調査の結果

2では、文部科学省が発行・推奨している「博物館施設における施設管理・リスクマネージメントに関する調査報告書」と、日本の博物館施設と自治体の関係性についても調査しています。

東北3県に関する主な調査方法は2つ。1つは、3県にある博物館施設30館へのアンケート調査、もう1つは、2つの博物館(福島と宮城)の学芸員さんへのインタビュー調査です。

アンケート調査では、上記の文部科学省推奨の報告書の普及についてや、震災前と震災後を比較して自然災害への意識・対策の変化、震災時の展示物への被害度についてなど、10項目の質問に答えて頂きました。

インタビュー調査では、かなり突っ込んだことを質問させて頂きました。いち学生(しかも修士)の論文研究ごときに、どれくらい協力して頂けるんだろうと不安でしたが、有難いことに、かなりディープなことまで赤裸々に教えて頂くことができました。

また国立文化財研究所にも、私が資料として読んだ文献の内容に関する疑問点を質問し、解答を貰うことができました。

これらの調査の結果は、予想通りだったこともありますが、意外だったことも多くあり、とても意味のある研究になったと思います。

研究結果から得た事柄をいくつか挙げると

  • 高額な免震装置を使用せずとも、テグスでの固定や、ケースを重ねて置かないなどのシンプルな対策でも、大地震発生時にも資料をある程度守ることが可能。
  • 震災後、対策を強化した施設もあるが、何も変わっていない施設の方が多い。
  • 地域全体が大きな被害を受けた場合、被害を受けた博物館の修復や新たな対策、体制の強化などへの支援まで手が回らない。5年経っても状況の改善は難しい。(まだ復興途上だから当然)
  • それぞれの館で出来ることには限度がある。今後、国や自治体の理解と支援が必要である。
  • 「防災」ではなく「減災」の意識を持ち、いつ起こるか分からない災害への対策を日頃から行うことが何より大切。

特に最後の「減災」については、インタビューさせて頂いた学芸員さんが度々おっしゃっていたことなのですが、博物館施設だけではなく今の日本にとって1番大事なことかなと感じました。

これまで使われてきた「防災」と聞くと、「被害を出さないようにしなければならない」と捉えてしまいます。被害が出ないようにしなければ→対策には高額な資金が必要→無理→災害は起こらないだろう、というないことにしようという心理が働き、災害大国なのにも関わらず対策が怠ってしまいがちでした。

しかし実際、大災害において被害が出ない、出さないなんてありえないですよね。災害は一つ一つ個性があって、被害の度合いも性質も全く違います。どれだけ最悪の事態を想定しても、絶対に大丈夫!なんてことはありません。

なので、被害を「出さない」ではなく被害は出るけど、最小限に留めるように対策するという減災の意識を持って、自然災害に対してBe realistic、つまり現実的な目で見て対策を行うことが大事ではないでしょうか。

博物館は地域なしでは成立しません。展覧会だけでなく災害対策においても、地域の人々、自治体と一丸となって取り組んで欲しいところです。

かなりザックリなまとめではありますが、こんなことを研究しました。修士論文は英語で書いたので、改めて日本語で整理すると面白いですね。博物館のリスクマネジメント(特に自然災害)に関してはもっと研究してみたいので、機会があればいいな…

ロンドン5日目⑵サイエンスミュージアム

Natural History Museum からすぐ近くのScience Museum。


ロンドン市内の博物館のほとんどは入場無料で、ここももちろん無料なんですが、ここにはちょっと恐ろしいシステムがありまして(笑)

入り口を入ると、チケットを見せるようなブースが並んでいて、必ず通らないと展示が見れないのですが、何をするかと言うと。ブースに立っている係りの人に「本日は寄付のご予定はおありですか?」と直球で聞かれます(笑)

笑顔で丁寧に言ってるけどアンタ、無料と言っときながらガンガンきますやん(笑)もちろん慌てて寄付する必要はありません。No!とガツンと言えば通してくれますのでご安心を。


全体的に、イギリスの技術はどんなもんじゃい!というのを全面に押し出したような展示でした。

でもイギリスのテクノロジーの進歩を学べて面白かったです。大人がじっくり見るようなものから、画面をタッチしたり子供が遊びながら学べる、いかにも科学館というようなものまで幅広いので、年齢問わず楽しめると感じました。

3Dシアターもあって、宇宙の神秘というような映像も楽しめるようでした(こちらは有料)。科学館にプラネタリウムがあるようなものですね。

実はNatural History Museum、V&A、そしてこのScience Museumは徒歩5分圏内に連なっています。前者2つのミュージアムでいっぱいいっぱいでなかなか機会はないかもしれませんが、サイエンス&テクノロジー系が好きな方にはオススメです!

ロンドン5日目⑴ロンドン自然史博物館

今年2度目のNatural History Museum! 


1月に選択科目の一環で来てほとんど見ていたんですが、再度訪れました。なぜなら、前回来た時は恐竜エリアが改装中で見れなかったんです!!なのでリベンジ。


すごいでしょ?ティラノサウルスが動いてる!!!最低でも10分はボケっと見てました(笑)


いやぁ、やっぱり恐竜は素敵だわ…物心ついてから私の恐竜への愛は冷めたことがありません!

他の展示もせっかくなので一通り見ました。


ちなみに、この博物館の名物である恐竜ディッピーは、ついに来月ここを去ります。もう見れないんです!最後に見れて良かったです。


達者でな〜ディッピー!!